【本日のテーマ】「事前に〇〇しました」
今回は、「事前に」という意味の英語表現を正しく使えなかったために、会話にすれ違いが生じた事例です。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
チーム全体のスケジュールを整理できておらず、困った様子の外国人上司。その状況を想定し、すでにスケジュールを作成済みだった日本人は、「事前にスケジュールを作成しました」と伝えるつもりで、I’ve made a schedule before. と言いました。
でも、beforeは「前に、以前に」という意味なので、上司には「前にスケジュールを作成したことがあります(だからできますよ)」という意味で伝わってしまいます。「前に作ったことがあるなら、今回もお願いしよう」と思った上司が、Then could you make one now?(じゃあ今作ってもらえる?)と依頼した理由はそのためです。
つまり、「スケジュールは事前に作成済」と言ったつもりの日本人と、「スケジュールは以前に作成したことがある」と解釈した外国人上司の間で、会話が噛み合わなくなってしまったのです。
◆正しい表現はコレ!
では、「事前にスケジュールを作成しました」はどのように言えばよかったのでしょうか。正しくは、I made a schedule in advance. となります。
beforeが「(時間的に)前に」という意味を持つのに対し、in advanceは、「事前に、前もって、あらかじめ」という意味です。出来事や期日などの前に、先立って準備・行動することを表現する際に用いられます。
in advanceはbeforehandに言い換え可能なので、I made a schedule beforehand. でも問題ありません。また、already(すでに、もう)を使って、I already made a schedule for you. のように言っても、同じようにすでにスケジュール作成が完了していることを伝えることができます。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド