【本日のテーマ】「意見が合う」
今回は、体のパーツ“eye”を使ったイディオムが登場します。ビジネスシーンでもよく使われる表現ですので、さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
日本人は取引先とオンラインで打合せをしています。プロジェクトの内容に対する先方の反応は上々。両社にとって新規顧客を獲得できるメリットがあることを伝えたところ、外国人女性が I’m glad we see eye to eye. と言いました。日本人は see eye to eye を「目と目を合わせて会う」という意味にとらえてしまい、相手が直接会えるとうれしいと言ったと誤解します。
see eye to eye は「意見が合う、見解が一致する」という意味で、相手と自分の考えがぴったり合う、相手とまったく同じ気持ちであることを表すイディオムです。「同じ目線で見る→見解が一致する」ととらえると意味をイメージしやすいでしょう。have the same opinion(見解が一致する、同意見である) や see things the same way(物事を同じように見る) と同じ意味合いです。
see eye to eye はビジネス会話と日常会話どちらでも使える表現です。会話例を確認しましょう。
<会話例1>
A: I think we need to change the color of the logo.
ロゴの色を変えた方がいいと思うのですが。
B: I’m glad we see eye to eye.
意見が合ってうれしいです。
<会話例2>
A: Let’s go to the beach tomorrow. I love the ocean!
明日、海に行こうよ。海が大好きなんだ!
B: We see eye to eye!
私たち気が合うわね!
また、このイディオムは否定語を伴った形でもよく使われます。
<会話例3>
A: Do you think we should invite Sam to the meeting?
サムをミーティングに招待するべきだと思う?
B: No, I never see eye to eye with him.
だめだよ、彼とは意見が合わないんだ。
<会話例4>
A: This is the best restaurant in the city!
ここはこの街で最高のレストランだよ!
B: Really? We don’t see eye to eye about food.
そう? 私たちは食べ物については考えが合わないわね
会話例のように、see eye to eye with … 「(人)と意見が合う」、see eye to eye about/on … 「(物事)について意見が合う」のように、後ろに前置詞を伴うことで相手や対象となる物事を明確に伝えることもできますので、あわせて覚えておきましょう。
◆さらに応用TIPS!
日本語に「目」を使った慣用表現がたくさんあるように、英語にも ”eye” を使ったさまざまなイディオムがあります。いくつかご紹介しますので、使い方をマスターしましょう。
●catch one’s eye
目に留まる、目を引く
→ The advertisement caught my eye.
その広告が目に留まった。
●cry one’s eyes out
大泣きする、泣きじゃくる
→ When she got the terrible news, she cried her eyes out.
ひどい知らせを受けたとき、彼女は大泣きした。
●have an eye for …
~を見る目がある
→ He doesn’t have an eye for art.
彼は芸術を見る目がない。
●in the blink of an eye
瞬時に、あっという間に
→ When the stock market crashed, everything changed in the blink of an eye.
株式市場が暴落したとき、すべてが一瞬にして変わった。
●in the public eye
世間の目にさらされて、社会の注目を浴びて
→ She’s famous, but she doesn’t enjoy being in the public eye.
彼女は有名だが、世間の目にさらされることを楽しんではいない。
●the apple of one’s eye
かけがえのない人、何より大切なもの
→ My grandson is the apple of my eye.
孫息子は目の中に入れても痛くないほどかわいい。
●turn a blind eye to …
~を無視する、~を見て見ぬふりをする
→ I’ll turn a blind eye to it this time, but never make this mistake again.
今回は目をつぶるが、二度とこのような間違いはしないで。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド