TOEIC® L&R TESTの勉強中に直面する、皆様からのあらゆる疑問やお悩みを「スタディサプリENGLISH TOEIC® L&R TEST対策コース」の人気講師でTOEIC® L&R TEST990点満点を持つ関正生先生が解決します!
本日のお悩み
リスニングで、a、theといった冠詞や、willといった助動詞がなかなか聞き取れません。いい対策があったら教えてください。
(女性 30代前半 会社員 TOEIC® L&R TEST550点)
関先生からのアドバイス
冠詞や助動詞は弱形の発音を聞き取ることが難しいので、文法知識で補いながら英文の意味を捉えましょう
◆ネイティブスピーカーでも弱形が聞き取れないことはある
スタディサプリENGLISHの講義動画でも解説しているとおり、冠詞や助動詞といった機能語には、「弱形」と呼ばれる発音の種類があります。弱形は、主に学校の英語の授業で習う「強形」の発音に比べると短く、はっきり発音されません。ですが、ネイティブスピーカー同士の会話では、ほとんど弱形が使われます。
例えば、冠詞のaやtheが明確に発音されることはほとんどないといってもいいでしょう。助動詞のwillも、「ウル」「ウー」「ウ」くらいしか発音されません。また、弱形で発音された単語がほかの単語とくっついて発音されることも頻繁にあります。そのくっつくルールを覚えられれば、聞き取れるようになることもあるかもしれませんが、簡単に覚えられれば苦労はしませんよね。
つまり、弱形の発音を聞き取ることはとても難しいのです。ネイティブスピーカーでさえ、聞き取れないことがあるといわれているくらいですから。実生活でのネイティブスピーカーは、聞き取りづらい弱形の発音に対して、文法知識で補って理解することで対処しています。
例えば「might have caused」というフレーズを見てみましょう。
haveには弱形の発音があり、「アヴ」「ア」などと発音します。そのため、このフレーズは「マイタ コーズド」のように発音され、「ハヴ」とははっきり聞こえません。ですが、文法知識があれば「mightという助動詞のあとには動詞の原形が来るはず。それなのにcausedと動詞が過去分詞形になっている」というところから、弱形のhaveが含まれていることが導けるのです。
まずは、「弱形の発音は聞き取れないもの」という意識を持つこと。そして、弱形が聞き取れなくても意味を捉えられるくらいの文法知識を身につけておくことが大切です。
◆弱形が聞き取れなくてもTOEIC® L&R TESTの問題は解ける
ただ、TOEIC® L&R TESTでは弱形を聞き取れたほうが有利ですが、聞き取れないと解けないような問題は、基本的に出ません。質問者の方はスコア550点とのことですが、現時点では、冠詞や助動詞以外にもっと聞き取るべきところがあるのではないかと思います。まずは、語彙力や文法知識、英文を正しく理解できる力を身につけて、英語力の底上げをしてみてください。