【本日のテーマ】「もう一度言ってもらえますか?」
今回は、相手が言ったことを聞き取れなかったときに使うカジュアルな英語表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
日本とメキシコの間でオンライン通話を楽しんでいる2人。日本人がメキシコで暮らす友人にDo you have any definite plans to come to Japan next year?(来年、あなたが日本に来る予定は決まっているの?)とたずねましたが、友人は会話の途中でスマートフォンに届いたメールに気を取られ、会話に集中できていなかった様子。日本人が何と言ったか聞いていなかったので、 Come again? と言いましたが、これを聞いた日本人は「(メキシコに)また来てね?」と言われたと勘違いし、ふたりの会話がすれ違います。
come again は「また来る、戻って来る、再度訪れる」という意味のイディオムなので、日本人が誤解するのも無理はありません。もし Come again. のようにピリオドで終わる文であれば、文字通り「また来てね」という意味ですが、今回のキーフレーズは文尾にクエスチョンマークがある Come again? という形で「もう一度言って?」「え、何だって?」と聞き返す口語表現になります。
相手の発言を聞き取れなかったときや聞き逃してしまったとき、理解できないとき、また信じられないようなことを相手が言ったときなどに使います。疑問文と同じように、again の語尾を上げて言うのがポイントです。
会話例で使い方を確認しましょう。
<会話例1>
A: How about meeting at the station?
駅で待ち合わせはどう?
B: Come again? I can’t hear you.
もう一度言ってくれる?聞こえないわ。
<会話例2>
A: I’ve decided to quit college.
大学を辞めることにしたんだ。
B: Come again?
え、何だって?
<会話例3>
A: I totally forgot the title of the movie we saw the other day. Do you remember?
この前見た映画のタイトルをすっかり忘れちゃった。覚えてる?
B: I didn’t catch what you said. Come again?
君が言ったことが聞き取れなかった。もう一度言ってもらえるかな?
Come again? はフォーマルなシーンには適さないくだけた表現なので、おもに友人同士など、気心が知れた相手との会話で用いられます。また何かを聞き返すとき、口調やトーンによってはトゲのある言い方に聞こえる可能性があるのは日本語でも英語でも同じです。ケンカ腰に聞こえないよう、言い方には注意しましょう。
◆さらに応用TIPS!
Come again? 以外の「聞き返し」の表現をご紹介します。ワンパターンにならないよう、複数の言い方を覚えておくといいでしょう。
●Sorry?
謝罪の言葉としておなじみですが、実は語尾を上げて疑問文のようにたずねることで「すみません、何と言ったのですか?」と聞き返す表現に。I’m sorry? にすれば、より丁寧になります。
●Excuse me?
Sorry? よりも丁寧な言い方。カジュアルなシーンだけでなくフォーマルな会話でも使える便利なフレーズです。こちらも語尾を上げて言いましょう。
●What did you say?
「何と言いましたか?」とたずねるフレーズ。シンプルに What? だけで「何?」と聞き返すこともできますが、かなりくだけた表現なので仲の良い友人との会話で使いましょう。
●Could you say that again?
「もう一度言ってもらえますか?」という意味で、初対面の相手に対しても使える丁寧な言い方です。ビジネスの場など、フォーマルなシチュエーションでもOK。親しい相手であれば Say that again? だけでも問題ありません。
漫画イラスト: 高篠裕子