【本日のテーマ】「今やっています」
今回は、相手の依頼に迅速に対応することを伝える表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
スーパーで働く日本人男性は、売り場を見回り中。乳製品コーナーにいた外国人スタッフと会話をしていると、棚の一部が空っぽになっていることに気がつきます。
Could you restock the yogurt later?(あとでヨーグルトの在庫を補充してくれる?)とお願いすると、スタッフは Don’t worry. I’m on it.と返答しました。
I’m on it. を直訳でとらえてしまった日本人は、それ(=ヨーグルト)の上にいるってどういうことだろう、と不思議に思います。
I’m on it. を直訳すると「私はそれの上にいます、私はその上に乗っています」ですが、実は「今やっています、すぐにやります」という意味の決まり文句。依頼された仕事や作業、課題に対して「今取りかかっている」、または「これからすぐに取りかかる」という場合に使えるフレーズです。I’m on it. は I’m working on it.(取り組んでいます)を省略したカジュアルな表現で、work on … には「~に取り組む」という意味があります。
相手の頼み事を引き受ける表現といえば Okay. / I got it. (了解しました)などが代表的ですが、今回のキーフレーズの I’m on it. は、ただ承諾の意志を伝えるだけでなく「今まさに対応している」「ただちに対応する」のように、要望にスピーディーに応えるニュアンスを含みます。そのため、依頼を快く承諾するポジティブな印象を相手に与えることができます。
親しい間柄であれば上司や先輩に対しても I’m on it. を使えますが、まったくの初対面の相手やフォーマルなシチュエーションでの使用は避けるのが無難です。かっちりした場では I’m working on it. を選択するなど、相手との距離感によって使い分けましょう。ちなみに、海外ドラマには I’m on it. をさらに略した On it.という言い方もよく登場するので、チェックしてみてください。
I’m on it. はビジネスコミュニケーションに限らず、日常会話でも使われるカジュアルな言い回しです。会話例をチェックしましょう。
<会話例1>
A: We need the report by noon tomorrow.
明日の正午までに報告書が必要なんだ。
B: I’m on it. I’ll finish it today.
今やってるよ。今日中に仕上げるよ。
<会話例2>
A: I’d like to use the meeting room tomorrow. Could you check what times are available?
明日会議室を使いたいんだ。何時が空いてるか確認してもらえる?
B: I’m on it. Give me a few minutes.
すぐに確認します。数分お待ちください。
<会話例3>
A: Can you tidy up the table?
テーブルを片付けてくれる?
B: I’m on it. Pass me a cloth to wipe it down.
すぐにやるよ。テーブルを拭くクロスを取って。
<会話例4>
A: It’s raining. Could you bring in the laundry?
雨が降ってるわ。洗濯物を取り込んでもらえる?
B: Sure, I’m on it!
もちろん、すぐやるよ!
◆さらに応用TIPS!
I’m on it. のように、仕事や課題に迅速に取り組むことを表現するフレーズをご紹介します。
●I’m doing it right now.:今やっています
*仕事や課題を今まさにやっている場合に使う表現。
right now は「今すぐに、まさに今」。
I can do it now. なら「今できます」という意味に。
●I’ll do it immediately.:すぐにやります。
*immediately「すぐに、ただちに」
●I’ll get to it right now.:すぐに取りかかります。
*get to …「~に取りかかる、~に着手する」
●I’ll take care of it right away.:すぐに対処します。
take care of … には「~の世話をする」のほかに「~に対処する、~を処理する」という意味もあります。right away は「すぐに、ただちに」。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド