【本日のテーマ】「声を少し抑えてもらえますか?」
今回は、静かにしてほしいと相手に依頼する丁寧な表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
ホテルで働くスタッフたちは、宿泊客に配布する冬キャンペーンのノベルティのミニトートバッグを手に取って会話しています。すると、外国人女性のスマホに着信が。そばで話し続けていた男性陣の声が少し大きいと感じた上司は、2人に向かって Could you keep it down a little? と言いました。
「down = 下げる」という意味でとらえた日本人は、ノベルティを持ち上げるのではなく低い位置に下げるように言われたと誤解し、トートバッグを自分の太ももあたりの高さに下げました。
今回のキーフレーズで使われている keep it down は「静かにする」というイディオム。Could you keep it down? で「声を抑えてもらえますか?」「静かにしていただけますか?」という意味になります。周囲の話し声や音が大きいときに、ボリュームを落としてほしいと依頼するフレーズです。
Could you …? だけでも丁寧な依頼の表現ですが、文末に a little(少し、ちょっと) を付け足した Could you keep it down a little?(声を少し抑えてもらえますか?)は少しマイルドな印象になり、相手への配慮が感じられます。「静かにして」と相手に伝える代表的なフレーズに Be quiet. がありますが、こちらはかなり直接的な表現ですので、今回のキーフレーズのように控えめに依頼する言い回しを覚えておくといいでしょう。
また、子どもや生徒がうるさくしているときに大人や先生が注意する際は、Keep it down.(静かにしなさい)というフレーズが使われます。それでも言うことをきかない場合は、Be quiet.(静かにして)や Shut up.(黙って)といった、イライラのニュアンスを含んだキツい言い方を用いるなど、状況に応じてフレーズを使い分けるのも効果的です。
ここで、keep it downを使った例文を確認しましょう。
<例文1>
Could you keep it down a little? You’re bothering other customers.
少し声を抑えていただけないでしょうか? 他のお客様のご迷惑になります。
<例文2>
Would you keep it down? I have a headache.
静かにしてもらえますか? 頭が痛いです。
<例文3>
Can you guys keep it down? I’m trying to concentrate.
君たち静かにしてくれる? 集中したいんだ。
<例文3>
Michael, keep it down. You’re going to wake up your little sister.
マイケル、静かにして。妹が起きてしまうよ。
<例文4>
Keep it down, everyone. Some students are still taking their exams.
みなさん、静かに。まだテストを受けている生徒もいます。
◆さらに応用TIPS!
声や音のボリューム調整をお願いするそのほかの英語表現を、シーン別で確認しましょう。会話がワンパターンになってしまいがちな人は、何パターンか言い回しを覚えておくのがオススメです。
<もっと小さな声で話してほしい場合>
Could you speak a little more softly?
Can you please lower your voice?
I’d appreciate it if you could speak more quietly.
<もっと大きな声で話してほしい場合>
Could you raise your voice?
Could you please speak up a bit?
I’d appreciate it if you could speak a little louder.
<音量を下げてほしい場合>
Could you turn the volume down?
Could you please lower the volume?
I’d appreciate it if you could reduce the volume.
<音量を上げてほしい場合>
Could you turn the volume up?
Could you please raise the volume?
I’d appreciate it if you could turn the sound up.
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド