【本日のテーマ】「乾杯する」
今回は、パーティーやイベントに参加した時や祝い事があった時に使う英語表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
レストランで家族の誕生日を祝っていると、外国人の夫が Let’s have a toast to celebrate Grandpa’s 70th birthday.と言いました。これを聞いた日本人の妻は、トーストを食べる必要があるのかと誤解し、キョロキョロとテーブルの周りを見渡します。
名詞の toast には、薄切りのパンを焼いた「トースト」という意味ももちろんありますが、ほかに「乾杯、祝杯、乾杯の挨拶」という意味があります。このシチュエーションでは後者の意味で用いられており、have a toast は「乾杯する」というイディオム。諸説ありますが、祝いの席でトーストしたパンをワインに入れて飲んだという古代ローマの習慣が表現の由来になったと言われています。
Let’s have a toast. は「乾杯しましょう」という意味で、祝福や喜びの気持ちを込めてグラスや酒杯を上げる際に用いられる表現です。また、動詞の have を make に置き換えた make a toast も「乾杯する」という意味のイディオムになります。toast の前には、必ず “a” が必要です。toastの使い方を例文で確認しましょう。
<例文1>
Let’s have a toast to celebrate your promotion.
あなたの昇進を祝って乾杯しましょう。
*Let’s have a toast to … という形の場合、どういった事柄に対する乾杯なのかを to 以下で表すことができます。Let’s have a toast to our success.なら「私たちの成功に乾杯しましょう」という意味に。
<例文2>
Would you make a toast?
乾杯の音頭を取っていただけませんか?
*Would you …? は「~していただけませんか?」という丁寧な依頼の表現。乾杯の挨拶を誰かにお願いしたいときに使うフレーズです。
<例文3>
I’d like to propose a toast.
乾杯の音頭を取りたいと思います。
*I’d like to … は「~したい」という丁寧な言い回し。 自らが乾杯の挨拶をするときによく使う表現です。propose の位置に入る動詞は have や make でも問題ありません。
◆文化・習慣についても知っておきたい!
今回は70歳の誕生日をお祝いするというシチュエーションでしたが、日本では70歳のお祝いは「古希」にあたりますね。中国から伝来した思想に基づき、「還暦」や「古希」といった節目の年齢で盛大に長寿のお祝いをする習慣が日本にはありますが、アメリカでは特定の年齢だけを盛大に祝う風習はなく、60歳や70歳の誕生日もほかの年齢と同じように祝うのが一般的です。
また、誕生日以外で親族が集まる機会といえば、日本ではお盆やお正月が代表的。一方、アメリカでは感謝祭からクリスマスにかけた休暇シーズンに家族が集まり、食卓を囲む風習があります。特に日本ではクリスマスは恋人や友人、新年は家族と過ごす人が多いですが、アメリカはその逆でクリスマスは家族、新年は友人らとパーティーをして盛り上がる点も文化的な違いがあります。
それぞれの休暇の名称も確認しておきましょう。
お盆:Obon holiday
お正月:New Year’s holiday
感謝祭:Thanksgiving
クリスマス:Christmas
◆さらに応用TIPS!
乾杯するときに使うフレーズ、他の表現をご紹介します。
●Cheers!
*Cheers! は「乾杯!」という掛け声。乾杯の音頭をとる人が Let’s have a toast. と声をかけたあとに、周囲の人たちが Cheers!(乾杯!)などと言って乾杯します。
●Here’s to …
*「~に乾杯、~を祝して乾杯」という意味で、Here’s to John and Rose!(ジョンとローズに乾杯!)Here’s to our 10th anniversary.(10周年を祝して乾杯)のように使うことができます。
●Bottoms up!
*bottom は「底」という意味。「グラスの底を上げろ!」という直訳から、「ぐっと飲みほそう!」「乾杯!」というニュアンスに。飲みの席などで複数人がいるシチュエーションで用いられるカジュアルな言い回しです
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド