【本日のテーマ】「約束を守る」
「約束」といえばpromiseという単語が思い浮かびますが、今回はpromiseを使わない「約束を守る」という英語表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
妻に結婚記念日の贈り物を用意した外国人男性は、渡す当日までそのことを秘密にしたい様子。それを聞いた日本人が「彼女には言わないから心配しないで」と伝えると、外国人はOkay, make sure you keep your word.と言いました。keep your wordを「言葉をキープする」という直訳でとらえてしまった日本人は、困惑してしまいます。
word は「語、単語、言葉」のほかに「約束」という意味を持つ単語です。また、keepには「(約束や規則などを)守る」という意味があることから、keep one’s wordで「約束を守る」というイディオムになります。
外国人男性が言ったMake sure you keep your word.は「必ず約束を守ってください」という意味。相手に約束を守るよう念押しするときに使うフレーズです。
keep one’s word の使い方を会話例で確認しましょう。
<会話例1>
A: Do you think we can trust Nancy?
ナンシーを信頼できると思う?
B: Yes, she always keeps her word.
うん、彼女はいつも約束を守るよ。
<会話例2>
C: Are you sure you’ll finish by Friday?
本当に金曜日までに終わるの?
D: Don’t worry. I’ll keep my word.
心配しないで。約束は守るよ。
また、wordの部分をpromise(約束)に置き換えたkeep one’s promiseも同じく「約束を守る」というイディオムです。keep one’s wordとkeep one’s promiseは特に使い方やニュアンスの違いはありませんが、前者のほうがネイティブらしいこなれた言い回しといえます。
ちなみに、約束を交わすときに互いの小指を絡ませる「指切り」にあたる行為は英語圏にもあり、pinky swearやpinky promiseと表現します。pinky (finger)は「小指」、swearは「誓う」という意味です。使い方としては、小指を差し出しながら Pinky swear. / Pinky promise. / Let’s make a pinky swear.のように言うイメージです。まれに海外ドラマや映画などで大人同志が指切りをするシーンもあるのですが、基本的には日本と同様、主に幼い子供がやる行為になります。
◆さらに応用TIPS!
その他の「約束」にまつわる英語表現をご紹介します。
●promise:約束する
George promised not to come home late tonight, but it’s already 11 pm.
ジョージは今夜遅く帰宅しないと約束したが、もう11時だ。
→promiseは「約束」という名詞のほかに「約束する」という動詞としても使われます。promise not to …は「~しないと約束する」という意味です。
●have/give one’s word:約束する
You have my word.
I give you my word.
約束するよ。
→「約束するよ」は、動詞promiseを使った I promise. というシンプルな表現もありますが、You have my word.やI give you my word.も覚えておきたい言い回しです。ちなみに、ビジネスのアポイントや医者に行く予約の意味合いの「約束」の場合はappointmentを使うので注意しましょう。make an appointmentで「約束する、アポ/予約を取る」というイディオムになります。
●break one’s word/promise:約束を破る
●go back on one’s word/promise:約束を破る
He broke his word, so I don’t trust him anymore.
He broke his promise, so I don’t trust him anymore.
彼は約束を破ったので、私はもう信用しない。
You promised me you would come. Why did you go back on your word?
You promised me you would come. Why did you go back on your promise?
君は来ると約束したよ。なんで約束を破ったの?
→break one’s word/promiseもgo back on one’s word/promiseも「約束を破る」というイディオムです。go back onには「(義務などを)果たさない、(意見などを)撤回する」といった意味もあります。
●make an oral promise:口約束をする
We don’t have a contract, but he did make an oral promise.
契約を結んではいないが、彼は口約束をした。
→oralは「口頭の、口述の」。oral promiseで「口頭の約束→口約束」を表します。make a verbal promiseも同じ意味のイディオムなので、セットで覚えておきましょう。
●make good on one’s word/promise:約束を果たす
Jack made good on his word and helped me move.
Jack promised and helped me move.
ジャックは約束通りに私の引っ越しを手伝った。
→make good on… には「~を果たす、~を履行する」という意味があります。make good on one’s word/promiseで「約束を果たす、約束を守る」、make good on one’s responsibilityで「責任を果たす、責任を全うする」となります。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド