【本日のテーマ】「ハマっています」
今回は、とても夢中になっていることを表す口語表現が登場します。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
日本人の友人との電話中、外国人は昨夜2人の娘と一緒にアーティストのミュージックビデオを見て過ごしたと話しました。続いて、My daughters are really into them. と言ったのですが、日本人にはこのフレーズの意味がわからなかった様子。into という言葉のイメージから、友人の2人の娘が、女性グループめがけて飛び込み選手のようにダイブする姿を想像します。
into … は「~の中に」という意味のほかに、「~に夢中になって、~に関心を持って」という意味もあります。into の前に really などの強調の副詞を付け足すことで「~にハマって、~にとても夢中になって、~に凝って」となり、日常会話でよく使われる口語表現です。音楽・スポーツなどの趣味、好きな食べ物、好きなことなどにのめり込んでいる状況を表すことができます。
I’m really into camping. It’s so much fun.(私はキャンプにハマっているの。すっごく楽しいよ。)
I’m really into 80s movies.(1980年代の映画にハマっているよ)
のように、be動詞を伴って使います。
会話例を確認しましょう。
<会話例1>
A: Hey, didn’t you have this same snack yesterday?
ねえ、昨日これと同じお菓子を食べてなかった?
B: I’m really into it.
ハマってるの。
<会話例2>
A: I heard you’re really into tennis?
テニスにハマってるんだって?
B: That’s right. Why don’t we take lessons together?
そうなの。一緒にレッスンを受けてみない?
<会話例3>
A: Sam is really into you.
サムはあなたに夢中ね。
B: Really? I didn’t think he liked me.
本当に? 彼が私を好きだなんて思わなかった。
I’m not really into sports. のように、否定語を伴うと「スポーツにはあまり興味がありません」といった意味になります。
また、「あなたは何に興味があるの?」と人にたずねる際は What are you into? のように言いましょう。この場合、really はつけずに使うのが自然です。
◆さらに応用TIPS!
be really into… のように、何かにハマっていることを伝えるカジュアルな口語表現を確認しましょう。
●be hooked on …
hooked は「引っかかって、かぎにかかって」という意味に加え、「ハマって、夢中になって」という意味があります。be hooked on… は「~に引っかけられている」という直訳から、何かに夢中になって抜け出せないニュアンスが表現できます。
●be crazy about…
crazy は「気が狂った」という意味の形容詞。日本語でもおなじみの単語ですが、ほかに「夢中になって、熱狂した」という意味でも用いられます。気が狂うほど入れ込んでいる様子が伝わります。
●be addicted to…
addicted は「中毒になって、常習して」という意味の形容詞。依存度が強く、ネガティブな意味合いで使われることもありますが、中毒性があってなかなかやめられずハマっているというニュアンスを表現できます。
それぞれのイディオムの … には、人やアイドルといった人物、特定の食べ物、趣味や娯楽といった「ハマっている対象」が入ります。ご紹介する例文は、どのイディオムでも使うことが可能です。
<例文集>
Kate is hooked on / crazy about / addicted to that group.
ケイトはあのグループにハマっている。
We’re hooked on / crazy about / addicted to curry.
私たちはカレーにハマっている。
I’m hooked on / crazy about / addicted to going to the gym.
ジムに行くのにハマっている。
日常会話でよく使われる表現になりますので、海外の映画やドラマなどでも登場しているはず。ぜひ覚えてみてください。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド