【本日のテーマ】「今のトレンド」
今回は、流行・トレンドについて会話する際に役立つ口語表現が登場します。ではさっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
外国人女性がヘアサロンを訪れ、担当の日本人美容師と今日のメニューを相談中。What kind of hairstyles are in now? と聞かれた日本人は、この文章の中で使われている in の意味がわからず、Sorry, could you say that again?(すみません、もう一度いいですか?)と聞き返してしまいます。
in と聞くと「~の中に」という意味がまず思い浮かびますが、今回のキーフレーズの in は、「流行して、流行中で」という意味で使われています。これは in fashion(流行して)の fashion を省略した口語表現で、What kind of hairstyles are in now? は「今トレンドなのはどんな髪型ですか?」「今どんな髪型が流行っていますか?」とたずねる質問です。fashion を省略せずに What kind of hairstyles are in fashion now? と聞いても同じ意味になります。
日本人が「もう一度いいですか?」と聞き返したあとに、外国人は Could you tell me what hairstyles are popular now?(今どんな髪型が流行っているのか教えてくれますか?)と別の表現で言い換えをしています。このように「流行っている、人気のある」ことを表すときは popular もよく使われますが、
What kind of hairstyles are in now?
What kind of hairstyles are popular now?
という2つの文章があった場合、in を使った文章のほうが口語的でカジュアルな印象を与えます。
ほかにも、
What color is in this year?
(今年は何色が流行っていますか?)
This fashion magazine says that leather jackets will be in next year.
(このファッション誌には来年レザージャケットが流行すると書いてあります)
のように使います。
ちなみに、反対の「流行しなくなって、廃れて」は out を使って表現します。「この色は去年流行したが、今は廃れている」という場合は、This color was in last year, but now it’s out. となります。
◆知っておきたい英語表現
「流行」にまつわるその他の英語表現を確認しましょう。
●all the rage(大流行して、大人気で)
These shoes are all the rage now with high school students.
この靴は今高校生に大人気だ。
→rage は「激怒、憤怒」という意味の名詞ですが、all the rage というイディオムで「大流行して、大人気で」という口語表現に。
・boom(大流行、急増)
Last year saw a boom in sales of home office equipment.
去年は家庭用の事務用品の売り上げが急増した。
→boom という単語が持つイメージは「急な上昇、急な増加」。経済の「急発展」、株価の「急騰」といった意味でもよく使われます。
・craze / fad(一時的な流行、一時的な熱狂)
There was a skateboarding craze when I was a child.
小学生の頃、スケボーが大流行した。
That game is just a fad, so I won’t buy it.
あのゲームはただの一時的な流行だから、僕は買わないよ。
→crazeもfadも、長くは続かない一時的かつ熱狂的な流行を意味する単語です。
ちなみに、病気や感染症などの「流行、蔓延」の場合は、spread や epidemic といった単語を使って表現します。
Strict public health measures have helped to prevent the spread of the disease.
厳しい公衆衛生対策は、病気の蔓延を防ぐのに役立った。
Last winter we had the worst flu epidemic in ten years.
昨年の冬は10年で最もひどいインフルエンザの流行が見られた。
「流行」を表す単語はバリエーションが豊富なので、ぜひまとめて覚えておきましょう!
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド