【本日のテーマ】「同じ学校出身です」
今回は「OB」が和製英語だと知らずに会話の中で使ってしまったため、言いたいことが相手に伝わらなかった事例です。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
ロバートとケンは気が合いそうだと思ったユミは、カフェで2人を引き合わせます。3人で話をしていると、ロバートが How did you two meet? と、ユミとケンの出会いについてたずねました。ユミは「彼は私の学校の卒業生だ」と伝えるつもりで He is my OB. と言いましたが、ロバートは意味が分からなかった様子です。
日本では、その学校の卒業生や、部活動・サークルなどに所属していた先輩のことを、old boy / old girlの頭文字をとって「OB」「OG」と言いますが、実はこれらは和製英語。海外では通じません。
同じ学校出身であることを伝えるとき、英語では We went to the same school. のように表現するのが一般的です。「私たちは同じ学校に通いました」→「私たちは同じ学校出身です」ということです。
どの学校かを具体的に明示する場合は、
We went to the same high school. / We went to high school together.
私たちは同じ高校出身です。
We went to the same college. / We went to college together.
私たちは同じ大学出身です。
などと表現します。
また、動詞 graduate(卒業する)を使い、We graduated from the same high school / college. のように言うことも可能です。
◆さらに応用TIPS!
「出身校はどちらですか?」とたずねる場合、会話では
What high school did you go to? / What college did you go to?
などと聞くのが一般的です。
日本語の「母校、出身校」にあたる英単語にalma mater があり、
He’s the director of the yacht club at my alma mater ABC University.
彼は母校のABC大学のヨット部の監督だ。
She has trained under John Smith, the coach at her alma mater, XYZ University.
彼女は母校のXYZ大でコーチを務めるジョン・スミス氏のもとで練習している。
のように使われます。
ですが、「出身校はどちらですか?」とたずねる場合、What’s your alma mater? ももちろん間違った英語ではありませんが、あまり一般的ではありません。
また、「卒業生・同窓生・校友」を表す英単語に alumnus(男性の卒業生)、alumna(女性の卒業生)、alumni(複数形)がありますが、これらは形式ばった表現なので普段の会話で使われることはあまりありません。
He’s a graduate of this college.(彼はこの大学の卒業生です)のように、名詞のgraduate(卒業生)を使うといいでしょう。
alumnus、alumna、alumni、alma mater などはいずれも日常的に使う頻度が少ない表現ですが、新聞の記事や読み物、履歴書などでは目にする機会がありますので、マメ知識として覚えておきましょう。
◆知っておきたい英語表現
学校に関連する英語表現をいくつかご紹介します。
●卒業アルバム:yearbook
I was cleaning my bedroom and found my high school yearbook.
寝室を掃除していたら、高校の卒業アルバムを見つけた。
●同窓会:reunion
I went to my high school reunion yesterday for the first time in 10 years.
きのう10年ぶりに高校の同窓会に行った。
●転校生:transfer student
George is a transfer student from California.
ジョージはカリフォルニアから来た転校生だ。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド