【本日のテーマ】「またの機会にします」
相手からの誘いを断るときや、予定をキャンセルするときに使えるフレーズが登場します。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
とある週末の昼下がり、日本人女性はばったり友人の外国人男性に会いました。これから一緒に映画でもどうかと誘ったところ、男性は I’ll take a rain check. と返答。このフレーズの意味を知らなかった女性は、なぜ雨をチェックする必要があるのかと不思議に思います。
I’ll take a rain check. は「またの機会にします、また今度にします」と相手の招待・申し出を断る際に使う表現です。今回は都合がつかなくて難しいけれど、また別の機会に…というニュアンスを含むため、強く拒絶する感じではなく、マイルドに断る言い回しになります。
そもそも、なぜ take a rain check が「またの機会にする、延期する」という意味のイディオムになったのでしょうか?
rain check とは、雨天や悪天候で野外での試合やイベントが延期・中止になった場合、再度開催されるときに利用できる「雨天順延券」のこと。そこから派生し、rain check は「またの機会、延期、後日の約束」という意味を表すようになり、take a rain check で「雨天順延券をもらう」→「またの機会にする」というイディオムになったと言われています。
<take a rain check を使った会話例>
A: Let’s go to a movie tonight.
今夜映画に行こうよ。
B: I’ll take a rain check. I have to work late.
またの機会にするよ。残業しないといけないんだ。
A: Everyone’s going out for a drink after work. Why don’t you join us?
仕事のあとみんなで飲みに行くよ。一緒にどう?
B: Can I take a rain check? I’m not feeling well.
またの機会でもいいかな? 気分がすぐれなくて。
◆さらに応用TIPS!
誘いを上手に断る表現は他にもあります。
Maybe next time. また今度にします。
Maybe another day. また別の日にします。
*「今回はだめだけど、次は大丈夫かもしれない」というニュアンスのシンプルな答え方です。
I would if I could. できることならそうしたいけれど(できません)。
*たとえば Let’s go to a movie tonight. と相手から誘われた場合にこのフレーズを使うと、 I would (go) if I could (, but I can’t).「できることなら行きたいけれど行けません」という意味に。
I really want to go, but I’ll have to pass (this time).
すごく行きたいけれど、(今回は)遠慮します。
*I’ll have to pass. で「遠慮します」「無理です」。日本語でも誘いを断る際「ちょっとパスしようかな」と言いますが、まさにそんな意味合いです。
文頭にI really want to go をつけることで「本当は行きたいんだけど」という残念な気持ちを表現できます。
もしくは文頭をI’d love to join you, but …(ぜひ参加したいんだけど…)のようにアレンジしてもいいでしょう。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド