【本日のテーマ】「まだ確定していません」
今回は、計画や考えなどが「まだ確定していない」ことを伝えるイディオムをご紹介します。ビジネスシーンや日常会話でも幅広く使える便利な表現です。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
企画書に追加したいデータがあり、まだ変更が間に合うかどうかを外国人の同僚に確認しに行った日本人男性。すると、女性から返ってきた言葉は It’s not set in stone yet. でした。
このフレーズを聞いた男性は、言葉どおり「それ(企画書)を石にセットする」という意味だと誤解してしまいます。一体、どのような意味なのでしょうか?
set in stone は「石に刻まれている」という直訳から派生したイディオムで、そこから「(計画や考えなどが)確定した、変えられない、変更不可の」という意味の口語表現として使われています。一度石に刻み込まれた文字などは書き換えができないことから、変更できない状況・変更することが難しい状態を示す際に用いられるフレーズです。
漫画に登場した文章は、It’s not set in stone yet. と否定語 not を伴っているため、「まだ確定していない」ことを表します。
さっそく例文で set in stone の使い方を確認しましょう。
Make sure you express your opinion before everything is set in stone.
すべてが確定する前に、必ず意見を述べてください。
We want to have a party in June, but nothing is set in stone.
6月にパーティーを開きたいですが、何も決まっていません。
予定や進行中の計画、アイディアなどについて話す機会は、ビジネスシーンに限らず日常生活でも多くあるため、覚えておくと便利な表現です!
◆さらに応用TIPS!
It’s not set in stone yet. と同じ意味の表現に、Nothing is fixed yet. があります。
Nothing is fixed yet, so we can still change the theme of the seminar.(まだ決まっていないので、セミナーのテーマはまだ変更できます)のように使います。
会話例もあわせて確認しましょう。
A: Is it too late to change the date of the seminar?
セミナーの日程を変更するには遅すぎますか?
B: No, nothing is fixed yet, but we need to finalize the details by Friday.
いいえ、まだ何も決まっていませんが、金曜日までに詳細を確定させる必要があります。
Bのセリフで登場した finalize(終わらせる、完成させる、確定させる)も、Have all the details for the event been finalized?(イベントの詳細はすべて確定しましたか?)のように、計画などの状況を確認する際によく使われる動詞です。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド