【本日のテーマ】「彼はヘマをした」
今回はフレーズの意味を知らなかったために、相手の発言を勘違いした事例です。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
日本人と外国人の仕事仲間がバーで飲みながら、同僚のジムの失敗談を話題にしています。
会話の中でHe dropped the ball. という表現がありましたが、drop=「落とす」、ball=「ボール」なので、日本人は「彼(ジム)はボールを落とした」という意味だと直訳したため、誤解してしまいます。しかし、これでは話のつじつまが合いません。一体どういう意味なのでしょうか。
drop the ballは「ヘマをする、重大なミスを犯す」というイディオムです。スポーツの場面で自分がポイントを取る責任がありながら落球…そんなイメージから、「重要な場面で大きな失敗する」ことを指す表現として使われています。つまり、外国人はHe dropped the ball. 「彼はヘマをした」と言ったのです。
「ミスを犯す」の表現として、make a mistakeが思い浮かぶかもしれませんが、こちらが小さなミスから大きなミスまで広く含むのに対し、drop the ballには「自分の不注意や無責任が原因で引き起こした重大なミス、努力を怠ったがゆえの大失敗」というニュアンスがあります。
ちなみに、文字通り「彼はボールを落とした」と言う場合は、He dropped a ball. となります。theがつくか、aがつくかで意味が変わるので注意が必要です。
drop the ballの使い方を会話例で確認しましょう。
A: Brian was supposed to give the presentation today, right?
ブライアンは今日プレゼンをするはずだったよね?
B: Yeah. He dropped the ball and didn’t prepare anything.
うん。彼はヘマをして何も準備しなかったよ
◆さらに応用TIPS!
「ヘマをする」「しくじる」「大失敗をする」などの意味を持つイディオムと実際の言い回しで使う例をご紹介しましょう。フォーマルなシーンでは使わないカジュアルな表現ですが、友人や同僚との会話で非常によく使われます。
●screw up
She screwed up at work.
彼女は仕事でヘマをした
I screwed up and send an email to someone else.
私は間違えてほかの人にメールを送ってしまった
●mess up
He messed up his chances at a promotion.
彼は昇進の機会に大失態を犯した
I messed up!
やってしまった!
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド