【本日のテーマ】「だれかやってくれませんか?」
今回は「やりたい人はいませんか?」「立候補は?」のように自発的な協力や参加を呼びかけるときのフレーズです。さっそく、ポイントをおさらいしてみましょう。
さっそくポイントをおさらいしてみましょう。
◆日本人が間違えやすいポイント
外国人女性は部下の男性社員2名に声をかけ、来月のフォーラムで自社プロジェクトについて説明するスタッフを探していると伝えました。Any volunteers? と聞かれた日本人は、このフレーズを「何かボランティアの経験はある?」という意味でとらえてしまい、I don’t have any experience volunteering.(僕はボランティアの経験はありません)と見当はずれな返答をしてしまいます。
日本語で「ボランティア」というと、無償の社会奉仕活動を指すイメージが強いですが、今回のキーフレーズのvolunteerは「(仕事・タスクなどを進んで行う)志願者、有志」という名詞。
Any volunteers? はAre there any volunteers (for…) ? を省略した表現で、「(~の)志願者はいますか?」という直訳から「だれか(進んで)やってくれませんか?」「(進んで)やりたい人はいますか?」という意味になります。
これは特定の役割や課題を引き受けてくれる協力者を求めたり、プロジェクトやイベントの参加者を募る際に用いられるカジュアルなフレーズです。話し手が指名するのではなく、複数の相手に呼びかけ、自分の意志で願い出てもらうという点がポイントです。ビジネスシーンに限らず、学校生活や日常生活などでもよく使われる言い回しです。
シチュエーション別の会話例で使い方を確認しましょう。
<例文1>会議の場で協力を求める
A: We need someone to summarize the meeting minutes. Any volunteers?
会議の議事録をまとめる人が必要ね。誰かやってくれない?
B:
(応じる場合)Sure, I can do that.
もちろん、やるよ。
(応じない場合)I did it before, so I’ll pass this time.
前にやったから、今回はパスするよ。
<例文2>授業で生徒に解答を促す
A: What’s the answer to this question? Any volunteers?
この質問に対する答えは? わかる人?
B:
(応じる場合)Hm, I think it’s D.
うーん、Dだと思います。
(応じない場合) I’m not sure.
よくわかりません。
<例文3>ボランティアの参加を呼びかける
A: The beach cleanup is scheduled for this weekend. Any volunteers?
今週末にビーチの清掃が予定されているの。やりたい人はいる?
B:
(応じる場合)I’d love to help!
ぜひ手伝いたいわ!
(応じない場合)Sorry, I won’t be able to make it.
申し訳ないけど、都合がつかないの。
なお、今回のキーフレーズは「志願者を募る」「立候補をうながす」といった「自薦」のフレーズですが、自分以外の誰かを推薦する「他薦」の英語表現には、
How about Jim?(ジムはどうですか?)
I nominate/recommend Ken.(ケンを推薦します)
Have you considered Emily?(エミリーは検討しましたか?
I’d like to suggest Masako.(マサコを提案したいと思います)
I think you would be a good fit.(あなたなら適任だと思います)
などがあります。
◆さらに応用TIPS!
動詞のvolunteerの使い方をあわせて確認しておきましょう。
「(奉仕や援助などを)自発的に申し出る」、「ボランティア活動をする」という意味があります。例文を見てみましょう。
<例文集>
He volunteered to help at the school event.
(彼は学校のイベントの手伝いを自ら申し出た)
I volunteer at the local animal shelter every weekend.
(私は毎週末地元の動物保護施設でボランティア活動をしている)
My mother volunteers as a guide at the art museum.
(私の母は美術館でボランティアガイドをしている)
名詞と同様、volunteer という動詞にも、強制や義務ではなく「自らの意志で進んで行う」ニュアンスが含まれていることを押さえておきましょう。
ちなみに、日本語の「ボランティア」は「ラ」にアクセントを置きますが、英語の volunteer は「ティ」にアクセントを置くので発音する際には注意が必要です。
◆知っておきたい英語表現
Any volunteers? と似た意味の表現に、Any takers? があります。
taker は「受け手、取る人、応じる人」。「受け手はいますか?」→「だれか引き受けてくれませんか?」「応じてくれる人はいますか?」という意味になります。Any volunteers? と Any takers? は使用するシーンやニュアンスもほぼ同じなので、言い換え表現として覚えておきましょう。
<Any takers? を使った会話例 1>
A: We have a task that requires some extra hands. Any takers?
追加の人手が必要な仕事があるの。だれか引き受けてくれない?
B: I’m available to help on Friday.
金曜日にお手伝いできます。
<Any takers? を使った会話例 2>
A: We need someone to lead this project. Any takers?
このプロジェクトを率いる人が必要なの。誰かやらない?
B: Should I do it?
僕がやろうか?
C: I’ll do it!
私やるわ!
B and C: Oh, please, go ahead.
あ、どうぞどうぞ。
<〜はありますか?の応用表現>
Any volunteers? や Any takers?のように、Any + …? は、「~はありますか?(~はいますか?)」とたずねるときに使える便利な英語表現。Anyのあとにはさまざまな単語を入れることができます。
Any concerns? :何か懸念事項はありますか?
Any ideas?:何かアイデアはありますか?
Any opinions?:何か意見はありますか?
Any preferences?:何か好みはありますか?
Any questions? :何か質問はありますか?
Any recommendations?:何かおすすめはありますか?
Any suggestions?:何か提案はありますか?
Any thoughts?:何か考えがありますか?
どれもシンプルな言い回しですが、円滑なコミュニケーションを図るために覚えておくと便利です。ビジネスシーンや日常会話において、意見や情報、提案などを求める際にぜひ活用してください。
漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド